恋人の距離感って、独特だよなーとつくづく思います。そこにしかないというか。
家帰れなくて、二人で漫喫に泊まったとき、もう疲れた僕が眠ろうかなーと思ったら、
「怖いビデオ見ましょー!」なんていうから、うっかり二人で見ちまったわけ。
「ジュオン」だったかな。。
しかも、ヘッドホンが一つしかないから、今まで以上に密接して二人で見たわけ。もうそれだけでクラクラしちゃいそうなもんだけれど、その上、怖い場面が近づいたら、女の子が僕の体にちょこちょこ触り始めてもう鼻血出るかと思った。エロ本とかエロビデオとか見たわけでもないのに、気がつけば勃起しちゃってるし、このまま勢いで襲っちゃえばー!な場面じゃん!と誰もが思うかもしれないけど、当時はそんなこともなく、「こいつは奴にひとめぼれしてるんだよなあ。。」とか「なんかずるい!」とか「これが恋人の距離感なのかなあ。。」なんて、勃起してる癖して妙に頭ん中は冷静だったっけ。
ほんと、あの子はかわいくて元気でおもしろくて、僕はただただ酷く盲目的に彼女を求めただけで、彼女に対する優しさが皆無だった。
いつかの帰りのバス停で、奴が酔っ払った彼女を気遣ってバス代分を彼女に差し出した瞬間が忘れられない。
その瞬間は明後日の方向を向いて、気づかない振りしたけれど、帰り際、無性に悲しくなったよ。
優しさがこれっぽっちもない自分と、どうしようもないほどの奴に対する敗北感と。
いつか、今度はバス代を、すっと差し出せたら。