IGPI流経営分析のリアル・ノウハウ

「IGPI流経営分析のリアル・ノウハウ」を読了。
新書ではあるが、経営分析に関して実践的な見方、やり方がコンパクトにまとまっていて興味深かった。以下、なるほどな・・と思った点をいくつか挙げてみる次第。

①売上インパクト、コストインパクトの割合が大きいところを抽出して検討すべき
経営分析であったり、経営改善計画をしていると、どうしてもあれもこれもと指摘したくなるし、指摘しなければいけないという発想になりがちである。だが、売上インパクト、コストインパクトの小さい部分をこまごまと指摘したところで、影響額が小さいわけで、仮に指摘したとしても、その結果どうなったか?という検証もできずじまいで終わってしまう。みるべきところ、手を付けるところはまず売上インパクト、コストインパクトの割合が大きいところであり、インパクトの大きいところで改善できるところはないか、伸ばせるところはないかを考えることが最も効果的であり、且つ検証もしやすいということになる。

②スケールメリットは効く事業か
企業買収、合併などの組織再編でよくきくワードであり、最もらしく聞こえるが、規模が増すことで、スケールメリットが生まれ、コストを削減できるとは限らないということもある。所謂、調整コスト、社内コストの増大による規模の不経済、また、中央集権的になってしまうことで、現場力の弱体化などなど。

③付加価値率
付加価値率が小さいこと=コストコントロールが小さいということでもある。付加価値率を大きくすることは、言い換えれば、自らコントロールできる要素が大きいということであり、自らで可能性を切り開ける要素が大きいということでもある。逆にいうと、会社の経営戦略次第で勝敗が決まってしまうということにもなるのだが。。付加価値率をどうしていきたいか、常に考えていく必要がある。

④範囲の経済
元々ある仕組み(コストは変わらない)を活用して、異なった商材を取り扱って売ることで(売上は上乗せできる)、事業規模を拡大する。範囲の経済で考えなければいけないことは相手側にとってもメリットがあるかが大事だと思われる。

⑤単品管理の徹底
単品管理することで、何が儲かっていて、何が不採算であったかを常に見極めて意思決定することが可能になる。適切な意思決定を下すためにも、早く正しい情報を獲得することにコストと手間は惜しまないことが大事なのかなと。

IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書)

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