電子帳簿保存法改正2015

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平成27年税制改正の大綱にてスキャナ保存制度の改正(PDF注意!)がなされたことにより、帳簿書類の電子化がより一層進むと思われる。因みに現行の電子帳簿保存法では、

  • ×国税関係帳簿:仕訳日記帳、総勘定元帳等の電子化は不可
  • ×国税関係書類:貸借対照表、損益計算書、在庫表など決算書類は不可
  • ○国税関係書類:契約書、領収書で3万円未満は可※
  • ○国税関係書類:請求書、納品書、見積書、発注書は可
  • 以上により、契約書等3万円未満、請求書等のみがスキャナ対象とされていました。また、スキャン時の処理についても

  • 200dpi以上のカラー画像のスキャニング
  • カラー保存※
  • 検索機能法の確保
  • 国税関係書類との検索性の確保
  • システム関係書類の備えづけ
  • 電子署名、タイムスタンプ、ヴァージョン管理※
  • などが要件とされていました。その上、スキャナ保存開始日より3か月前に税務署に申請することが義務付けられていました。

    今回の税制改正の大綱では、

  • ○国税関係書類:契約書、領収書で3万円以上も可
  • 保存形式が白黒でも可
  • 書類の大きさに関する情報が不要となった
  • タイムスタンプとともに入力者に関する情報の保存が必要となった
  • その上で、①相互けん制②定期的なチェック③再発防止策などの整備をするとともに、社内規程等を整備した上での事務処理が申請要件となるようです。

    大きな改正点としては、契約書、領収書で3万円以上のスキャナ保存の対象となったことでしょうか。これにより大多数の国税関係書類の電子保存が可能となります。

    さて、想定される具体的なメリットデメリットとしては、

  • ○帳簿書類の保管費、本支店間の運送料のコスト削減
  • ○検索機能による事務作業のスリム化
  • ○紛失リスク、保管作業の減少
  • ○電子化によるデータ入力の自動化など積算作業の効率化
  • ○税務調査時の対応などの効率化
  • ×スキャニングの要件などの厳格さ
  • ×システム担当の負担増
  • などなどでしょうか。基本的にメリットの方が多そうですが、やはり現状はスマホカメラでのスキャニングが許可されていないという点がネックであるようにも思います。現状だとスキャニングの作業自体が煩雑なのではないかなと。後、27年の9月から改正が適用されるとのことですが、現状別件でのシステム案件の整備が手一杯ですし、地方で適用できるようになるのはも少し先の話になるのかなーと思う次第です。何はともあれ、これ以上の電子帳簿の保存が緩和されることを願う次第です。

    参考url一覧

  • 平成27年度税制改正の大綱
  • 財布の中の領収書とおさらばする―電子帳簿保存法改正の動きとコンカーの取り組み
  • 税務関係書類のスキャナ保存要件の大幅な規制緩和に関する情報
  • 電子帳簿保存法について
  • Read More