平成28年度税制大綱についての感想をさらっとですが述べてみる。
詳細については財務省の税制情報を見てください。
- ①個人所得課税
- 空き家を売却した際の譲渡所得の特別控除の導入
- 三世代同居に対応した住宅リフォームに係る税額控除制度の導入
- スイッチOTC薬控除の導入
- 個人寄付税制の包括的な見直し
個人所得課税については、今の時代に沿った空き家&リフォーム周りの税制などがどれほど活用されるかは興味があるところです。単年ではどれほどの効果があるかはわかりませんが、年度ごとに税制の効果検証をした上での長期的な運用を望みたいところです。
- ②資産課税
- 農地保有に係る課税の強化・軽減
- 機械及び装置の固定資産税の特例措置の創設
資産課税については特筆すべきものはないですが、機械装置の固定資産税の軽減制度は活用される方はいるかもしれませんね。とはいえ、3年間限定ですし、税務的なメリットが大きいわけではないですが・・・。
- ③法人課税
- 法人税改革、法人税率の引き下げ
- 租税特別措置法の見直し
- 地方法人課税の是正
- 企業版ふるさと納税
- 復興支援のための税制措置
法人課税についてはやはり法人税率の引き下げ、そして租税特別措置法の見直しが大きなトピックと言えそうです。租税特別措置法については、生産性向上設備投資促進税制の縮減・廃止ということで、期限延長はしないとのこと。大企業も活用できるということで、非常に使い勝手のいい税制だったのですが残念ですね。また雇用促進税、環境設備投資税制なども若干の税制変更があったようで、再度確認が必要ですね。租税特別措置法については、適用額明細書の分析結果をしっかり生かして毎期の税制案の策定&改正に活かしてほしいところです。雇用促進税制なんかはまだまだ活用しきれていない企業が多いように思いますしね。所得拡大促進税制などもねー。
- ④消費税
- 軽減税率の導入
- 免税店制度の拡充
- 車体課税の見直し
今年一番のトピックといえばやはり軽減税率の導入でしょう。まだ具体的なところは詰め切れてないように思いますが、より一層消費税の仕組みが複雑化することは間違いないと思います。実務で考えたときに、消費税額の検証がより複雑化し、手間がかかることこの上ないですし、レジなどの設備投資は当然のごとく必須になることは間違いないですし(補助は出るようですが)、また業種によっていい影響を受けるところもあれば、悪影響を受けるところもあるわけで、なんだかそれはそれでいいのか?と個人的に思ってしまいます。。さりげなーく、新聞が軽減税率の対象になってたりしますしね。もちろん、最終消費者にとってはいいことではあるんですが・・・。選挙を見据えた妥協案という気がしますね・・・。
他には免税店制度の拡充(1日1店舗当たり1万円以上から五千円へ引き下げ)などは昨今の爆買ブームに乗った施策と言えそうです。こういうのはもっとやってほしいですねー。
全体的な感想を言うと、選挙を見据えたのか妥協案に終始したかな・・・という印象が強いです。配偶者控除の廃止とか中小企業の定義の変更とか(資本金1億円以下なら中小企業とかの話ね)もっと抜本的な見直しを進めるのかな?と思っていたのですが、選挙前だと流石に難しいのかもしれませんね。長期的な安定政権を目指すことを第一優先に考えるならばそれも仕方がないことかもしれませんね。