平成29年度税制大綱についての所感

Taxes

平成29年度税制大綱について、さらっとですが所感。
詳細については、財務省の税制情報にてご確認下さい。

①個人所得課税

  • 配偶者控除&配偶者特別控除の見直し
  • 積立NISAの設立
  • 個人所得課税については、配偶者控除の見直しが大きなトピックと言えそうです。
    具体的には、配偶者控除の適用対象を給与収入150万円(所得金額85万円)に引き上げ。配偶者の給与収入が201万円以上となると、配偶者特別控除の対象外となるとのこと。
    合わせて納税者本人に所得制限を導入。給与収入1,120万円以上から控除額を低減。給与収入1,220万円で控除対象外となるようです。
    給与収入103万円→150万円ですから、年間で50万円程度、月間で4万円程度、収入がアップしても配偶者控除の適用となるとのことで、一か月で50時間超くらいは主婦層等のパート、アルバイトの活用がよりできるようになるということで、パート、アルバイトなどの労働意欲がより増すのではないかと。
    正社員が大半な組織ではあまり影響はありませんが、労働集約的で且つパート、アルバイトの比率が多いところは人手不足の解消とまではいかないかもしれませんが、それなりにプラスの影響があるのではないかと思います。
    個人的にはもう少しドラスティックに変えてもよいのではないかとも思うのですが、老年世代は専業主婦が多いようですし、影響みつつ少しずつ変えていくしかないのかなと。
    いずれにせよ人口が縮小していく一途を辿ることと共働きが一般的になってきている昨今では、配偶者控除の廃止はどこかの時点で提言しないといけないような気はします。
    それはそれで専業主婦層から反発はありそうですが、国家全体を考えたら、どこかの時点でやるべきなのかなと。
    積立NISAについては、若年層や夫婦等の株式投資をより進めるという目的で設けた制度と言えそうです。
    具体的には、非課税期間が20年、年間投資上限額が40万円ということで(上限はも少しアップしてもよいかな・・)、内容からも貯蓄→投資への分配をより促す為の仕組みと言えそうです。
    株式の知識があまりない人、株式投資に時間をさけることの出来ない人向けの非課税制度と言えそうです。
    ニーズはあると思うので、そこそこ受けそうな気はしますね。
    唯一、惜しいなと思うところは、現行のNISAと選択適用というところ。
    貯蓄→投資への分配を促すという意味では、あえて制限を設ける必要はないのかなと。
    短期、長期投資を併用して進めたいという人もいるでしょうしね。

    ②資産課税

  • 事情承継税制の見直し
  • 償却資産に係る特例措置の追加
  • 居住用高層建築物に係る課税の見直し
  • 事業承継税制については、相続時精算課税制度との併用を認めるとのことですが、
    はっきり言ってこの制度は制約が大きいこともあって、非常に使い勝手が悪いです。
    企業経営を行うにあたって、5年間も制約を受けなければいけないというのは、ちょっと厳しすぎますし、会社の状況によっては事業承継者が抜本的な改革を行わなければいけないということも十分ありえるはずです。今回、相続時精算課税制度との併用を認めることでいくらかリスクは軽減されますが、ここ最近の廃業数が増えていることも踏まえると、一族承継拘らず、内部昇格、外部承継をより柔軟にすすめやすくする制度が求められているように思います。事業承継税制についてはよりよい税制案を示してほしいです。でないと地方はより一層疲弊してしまいます。。
    居住用高層建築物に係る課税の見直しについては、所謂タワマン節税対策ですね。
    取りたてて述べることはないですが、とりあえず、見直しは必要だったのかなと。

    ③法人課税

  • 研究開発税制の見直し
  • 所得拡大促進税制の見直し
  • コーポレートガバナンス・事業再編の環境整備
  • 中小の優遇税制の厳格化
  • 中堅・中小企業の支援
  • 法人課税については、大きなトピックとしては、中小の優遇税制の厳格化とそれに伴った、中小企業向けの税制の拡充でしょうかね。
    具体的には、今まで税務上の大会社と中小会社との区分が資本金ベースだったものが、3か年の平均所得金額が15億円以上の会社については、資本金が1億円以下であっても中小優遇税制の適用対象外とする制度を設けるとのこと。
    ここ数年、節税目的の減資が増えていたこともあって、資本金ベースでの判断基準を見直すべきとの話は至る所で出ておりましたが、遂に見直しがなされたのかなと。
    厳格化した上で、中小企業の優遇税制をより手厚くしようという方針ですから、非常に理にかなった取り組みではないかと思っています。
    中堅・中小企業の支援、優遇税制については、所得拡大促進税制の拡充(賃上げ2%以上で法人税額22%控除)、中核企業向け設備投資促進税制、中小企業投資促進税制の拡充等々。
    中核企業向け設備投資促進税制は詳細がわからないところはありますが、計画書が必要且つ総投資額2000万円以上の事業で機械・装置の取得額の4%の控除か40%の特別償却。建物や設備などは2%の控除か20%の特別償却が出来る税制とのこと。どこまで受けるかわかりませんが、地方会社の攻めの投資をよりしやすくする制度はあってよいのかなと思います。
    そういう意味では、今年3月末期限の生産性向上設備促進税制が一番使い勝手がよかったのですが・・・。
    また、中小企業都市促進税制の拡充については、全ての器具備品、建物付属設備を対象にするとのこと。より使い勝手がよくなって利用する会社が増えそうです。
    その他、法人課税については、”組織再編税制の見直し”ということで、スピンオフ(会社分割)を柔軟に出来るような制度を導入するとのこと。今までは事業を売却したとみなされることもあり、新会社の時価と帳簿上の価値との差額が譲渡益となり、事業を切り出した法人に課税される仕組みとなっていたが、今後は事業を切り出した企業の譲渡益、新会社の株式を受け取った既存株主ともに課税を繰り延べして、スピンオフができるようになるとのこと。
    ここ最近、会社分割など組織再編周りの案件が増えていることを踏まえると、組織再編周りの整備はより進めるべきと思います。目的は組織再編を柔軟にすることで、会社の活性化をしやすくするということですね。
    ついでいうと、国内外問わず、M&Aの活性化を進めるという意味で、のれんの償却をなくした方がよいのかなと・・・。国内に限っていうと、M&Aが事業拡大の一手段というよりかは事業承継の一案という側面も強くなってきつつあるようで、M&A周りの環境整備もより求められているように思います。
    まとめると、ここ数年間で劇的に国内の環境が変わるであろうことを踏まえると、
    法人課税の整備が最も重要になってくると思われます。
    これまで以上に企業活性化につながるような制度の導入を期待したいです。

    ④消費課税

  • 酒税改革
  • 車体課税の見直し
  • 仮想通貨の消費税非課税化
  • 消費課税については、取りたてて大きなトピックはありませんが(特定企業にとっては大きなトピックはあるでしょうがw)、一点気になるところと言えば、仮想通貨の非課税化ですかね。仮想通貨の仕組みについては正直詳しくありませんが、非課税化ということで、より流通されていくのかなと。今後の動きはしっかり把握していく必要はありそうです。

    全体的な感想をいうと、選挙後ということもあってか、昨年の税制大綱で先送りした案件に手を付けたのかなという印象。大きな一歩と言えそうです。日本は東京オリンピックまではよい流れで行きそうですが、その後はかなり厳しい業況が見込まれることもあり、より企業の活性化をすすめるべく抜本的な改革が必要になってくるような気がします。

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    節税目的の減資(無償減資)について

    最近は、中小企業の優遇税制を適用することを目的として”減資”を行う企業が増えてきたように感じます。
    そもそも、ここ数年で何故に減資の手続きが増えてきたのかというと、一つは税務上の“貸倒引当金制度の廃止”が大きく影響しているのかなと思います。
    資本金1億円超の会社(税務上の大法人)であれば、税務上、段階的に貸倒引当金繰入額が損金算入出来なくなるというのは、金銭債権がかなりある会社であれば相当の税負担増となります。その為、税務上は”大法人”だけれども、企業規模で言えば”中小法人”に当てはまる会社や、一時一部上場を目指して増資はしたけれども、結局一部上場はせずに、売上利益等も平行線をたどっている会社などは税負担増を嫌って”減資”という意思決定をされてきているのではないかと思います。中には企業規模は”大法人”だけれども、あえて資本金を1億円以下にして、税務上は”中小法人”となっている会社もありますねwどことは言えませんが、TV通販の会社であったり、仙台の製造卸売業などですねw
    それについては、今現在議論等なされているようですが、恐らく資本金ベースでの定義は変わらないと思います。ただ、新たな定義として、”従業員数”などを適用条件として付けくわえる可能性はあるかもしれません。こちらについては今後の法改正の行方を見守るしかありませんが、流石に資本金ベースで税務上の法人規模を判断するというのは少し時代にそぐわなくなってきているような気はしますね。実際に与信上の判断においても”資本金”で判断する経営者は少なくなっているようにも思いますしね。

    ところで、減資をすると企業にとって何かデメリットがあるのではないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、基本的にはデメリットはありません。
    あえて挙げるとするならば、“信用力の低下”ですね。実際に減資(無償減資)の手続きをして、株主総会の招集通知を発送したり、債権者保護手続きをすると、大多数の株主、取引先、金融機関から何か問題がおきているのではないか?と探りの問い合わせが必ずきます。これは、世間一般的には減資をすることの目的が節税目的ではなく、シャー○や吉本興○のような“累積赤字の補てん”と捉えることからそういったネガティブな反応があるのだと思います。なので、問い合わせがあった際は、累積赤字の補てん等が主目的ではないことと、官報にて決算公告&法定公告を掲載する旨もあえて伝えたほうがよいかもしれませんね。もしくは主要な取引先には事前に伝えておいた方がよいかもしれませんね。

    さて、肝心の減資の手続きについてですが、

    ①株主総会決議
    定時又は臨時株主総会の特別決議が必要。よって、出席株主の議決権の2/3以上の賛成が必要になります。
    ※累積赤字の補てんの場合は、定時株主総会の普通決議で可能

    ②債権者保護手続き(官報公告、催告)
    ※官報公告については、事前に掲載日がいつになるか必ず確認した上で進めることをお勧めします。
    仮に毎期決算公告をしていない場合、減資の公告に加えて、決算公告もしなければいけないことになる為、余計に掲載まで日数がかかる場合があります。
    ※催告については、個別に債権者に減資の旨をお知らせすることになります
    ※催告については、定款で電子公告ができるようになっている場合は、債権者毎に個別に催告する必要はないようです
    ※1か月以上にあたって、債権者からの異議申し出がないか期間を設けます

    ③効力発生日
    ※株主総会で定められた効力発生日が原則ですが、債権者保護手続きが終了していない場合は手続き終了後が効力発生日となります
    ※なので、官報公告と同時に催告等の手続きをした方がよいかと思います

    ④変更登記、届け出等
    ※効力発生日から2週間以内に登記手続きをします
    ※登記後は税務署、県、市役所に異動届を提出します

    といったスケジュールになります。資本政策案件ですし、決してミスが許されない手続きですので、慎重にそしてスケジュールに余裕をもって進めることが重要になります。
    また、株主総会の招集通知の発送後や債権者保護手続きをした後は多数の問い合わせが予想されますので、事前に質疑応答集なども準備された方がよいかもしれません。
    基本、株主が少ない場合は決議までは滞りなく進むかとは思うのですが、取引先が多い場合、債権者保護手続きなどはかなり時間をとられるかもしれませんね。

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    平成28年度税制大綱についての所感

    Tax

    平成28年度税制大綱についての感想をさらっとですが述べてみる。
    詳細については財務省の税制情報を見てください。

      ①個人所得課税

    • 空き家を売却した際の譲渡所得の特別控除の導入
    • 三世代同居に対応した住宅リフォームに係る税額控除制度の導入
    • スイッチOTC薬控除の導入
    • 個人寄付税制の包括的な見直し

    個人所得課税については、今の時代に沿った空き家&リフォーム周りの税制などがどれほど活用されるかは興味があるところです。単年ではどれほどの効果があるかはわかりませんが、年度ごとに税制の効果検証をした上での長期的な運用を望みたいところです。

      ②資産課税

    • 農地保有に係る課税の強化・軽減
    • 機械及び装置の固定資産税の特例措置の創設

    資産課税については特筆すべきものはないですが、機械装置の固定資産税の軽減制度は活用される方はいるかもしれませんね。とはいえ、3年間限定ですし、税務的なメリットが大きいわけではないですが・・・。

      ③法人課税

    • 法人税改革、法人税率の引き下げ
    • 租税特別措置法の見直し
    • 地方法人課税の是正
    • 企業版ふるさと納税
    • 復興支援のための税制措置

    法人課税についてはやはり法人税率の引き下げ、そして租税特別措置法の見直しが大きなトピックと言えそうです。租税特別措置法については、生産性向上設備投資促進税制の縮減・廃止ということで、期限延長はしないとのこと。大企業も活用できるということで、非常に使い勝手のいい税制だったのですが残念ですね。また雇用促進税、環境設備投資税制なども若干の税制変更があったようで、再度確認が必要ですね。租税特別措置法については、適用額明細書の分析結果をしっかり生かして毎期の税制案の策定&改正に活かしてほしいところです。雇用促進税制なんかはまだまだ活用しきれていない企業が多いように思いますしね。所得拡大促進税制などもねー。

      ④消費税

    • 軽減税率の導入
    • 免税店制度の拡充
    • 車体課税の見直し

    今年一番のトピックといえばやはり軽減税率の導入でしょう。まだ具体的なところは詰め切れてないように思いますが、より一層消費税の仕組みが複雑化することは間違いないと思います。実務で考えたときに、消費税額の検証がより複雑化し、手間がかかることこの上ないですし、レジなどの設備投資は当然のごとく必須になることは間違いないですし(補助は出るようですが)、また業種によっていい影響を受けるところもあれば、悪影響を受けるところもあるわけで、なんだかそれはそれでいいのか?と個人的に思ってしまいます。。さりげなーく、新聞が軽減税率の対象になってたりしますしね。もちろん、最終消費者にとってはいいことではあるんですが・・・。選挙を見据えた妥協案という気がしますね・・・。
    他には免税店制度の拡充(1日1店舗当たり1万円以上から五千円へ引き下げ)などは昨今の爆買ブームに乗った施策と言えそうです。こういうのはもっとやってほしいですねー。

    全体的な感想を言うと、選挙を見据えたのか妥協案に終始したかな・・・という印象が強いです。配偶者控除の廃止とか中小企業の定義の変更とか(資本金1億円以下なら中小企業とかの話ね)もっと抜本的な見直しを進めるのかな?と思っていたのですが、選挙前だと流石に難しいのかもしれませんね。長期的な安定政権を目指すことを第一優先に考えるならばそれも仕方がないことかもしれませんね。

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    年末調整について

    Just 11 more days of accounting

    今さら年末調整?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、年末調整についてありがちなミスを只管挙げてみる。以下、箇条書きです。

  • 年齢による扶養親族、特定扶養、老人扶養、年少扶養等などの異動を失念している
  • 団体生命保険の保険料控除を含めて計算していない
  • 地震保険料、長期損害保険が併記されている証明書はどちらか選択適用となる
  • 国民年金、健康保険の申告控除のし忘れ
  • 旧生命保険、新生命保険のどちらが有利かどうすれば最も控除額が増えるか検討していない
  • 配偶者、扶養者の所得を把握していない又は年収と間違えて申告している
  • 配偶者特別控除の適用を失念した(年収103万以上~141万円まで)
  • 年少扶養であっても障碍者控除の適用は可能である
  • 旧生命保険は9,000円以下、新生命保険は基本添付が必要
  • 地震保険、長期損害保険をどちらを適用すれば控除額が有利か検討しているか
  • 子や生計を一にする扶養等の年金などの申告を失念していないか
  • 現物給与、給与課税にあたるもの(借り上げ社宅など)を含めて計算しているか
  • 中途入社で一年に2社勤務経験がある人の源泉徴収票又は給与明細を含めて計算したか
  • 年間の源泉所得税額を一致しているか確認したか
  • 著しい不足が出た人の計算過程に過ちはないか確認したか
  • 以上になります。
    もっと年末調整について詳しく知りたい!という方はこちらを参考に(国税庁の特集ページです)。
    今回改めて感じたことは一般的な事務員の視点から見ると、なかなか理解が難しいというかミスが生じやすいところが多々あるんだなあ・・・と、感じた次第です。時間的にも制約があるからそうさせるんでしょうけれど・・・。もう少しケアレスミスを減らしていきたいものですね!

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    雇用促進税制

    「まだ、ここにない、出会い。」リクルートの思いはぼくの思いに通じている。

    雇用促進税制とは、適用年度中に雇用者数を5人以上(中小企業は2人以上)かつ10%以上増加させるなどの一定の要件を満たした場合、雇用者数増加辺り1人につき40万円の税額控除が受けられるという制度になります。
    ただし、本税制の適用を受けるためには事前にハローワークに雇用計画の提出をする必要があります。

    詳細の要件については、

  • 青色申告者であること
  • 雇用者数を5人以上(中小企業は2人以上)かつ10%以上増加※1
  • 適用年度と前事業年度に事業主都合による離職者がいないこと
  • 適用年度の給与支給額が比較給与支給額以上であること※2
  • ※1 10%以上増加の定義としては、雇用増加割合(10%以上)=適用年度の雇用増加者数/前事業年度の雇用者数
    ※2 比較給与支給額とは前年度の給与支給額+前年度の給与支給額*雇用増加割合*30%を指し示す
    などがあります。
    詳細についてはこちらを参照してください。

    本税制のメリットは、やはり一人当たり40万円の税額控除が受けられるということにつきるでしょう。税額控除ですから、結構な節税策です。採用難で困っている中小企業にとっては、採用に力を入れるいいきっかけにはなるかと思います。ただ、現状で見た場合、そこまで利用されているかというと、そうでもないようです。26年度の雇用計画の達成状況(PDF注意!)をみると、30,000件超、事前計画は受け付けてはいるのですが、実際の達成件数は6,000件超と20%しか計画が達成していないと惨憺たる状況です。この数字を見る限り、現状の雇用促進税制は、企業の採用計画とうまくマッチングしきれていない制度なのかなという気がします。とりわけ先の要件の中で①10%以上増加、②給与支給額>比較給与支給額の2要件が厳しいのかなと。普通に考えて、雇用者総数の10%以上というのは、かなりハードルが高く、中小企業よりの仕組みではないのかなといった印象です。中小企業であっても2人以上採用を検討している会社はありますが、そもそも採用計画自体をきちんと立案している会社自体少ないですし、ハローワークに事前申請の手続きをすること自体知らない会社が多いです。実際は計画未達であっても、税制の適用にならないだけではあるんですが・・・。個人的な要望をいうと、事前申請ではなくとも適用になるとか、税額控除に限らず、何らかのインセンティヴが別にあってもいいのでは?という気がします。

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    生産性向上設備投資促進税制(B類型)について

    生産性向上設備投資促進税制(B類型)についてまとめ。

    B類型ですが、生産ラインやオペレーションの改善に関する設備を新たに設備投資することで、投資利益率が15%以上(中小企業は5%以上)が見込まれるとして、経済産業省の承認を受けた場合、A類型と同様に即時償却及び税額控除が適用となる制度になります。
    A類型との違いは①建物も対象となるということと、②用途及び細目の制限が一切ないというもので、設備投資額全額を即時償却、税額控除の対象とすることが可能となり、多額の設備投資を考えている企業にとっては非常に使い勝手の良い税制となります。因みに、仮に計画が達成できなくとも税金の取り戻しは発生しないという点も押さえておくべきところですね。

    具体的な算式ですが、投資利益率=「営業利益」+「減価償却額」の増加額(※設備の取得した後、翌年度以降3か年の平均額)÷設備投資額となります。

    想定される設備投資の事例(PDF注意!!)としては以下、①~③案となる。①、②は投資計画の算定は比較的容易であるが、③に関しては算定が最も難しいといえよう。具体的な事例としては近畿経済局のサイトを参照ください。各企業の投資計画案が実例として公開されているので、参考になる点があるかなと。

    ①生産能力増強を目的とした設備投資
    新規製造設備による生産能力増加に伴う売上増大が可能となる。投資計画の根拠としては、直近の単価及び数量を元に生産量の増大→売上増を投資計画にて算定できればよいということになる

    ②新規設備、ソフトウェア導入による原価、経費削減、業務効率化を目的とした設備投資
    新たな設備にすることで、それまでの不良製品減、修繕費用の削減が可能となる。投資計画の根拠としては最も簡易なもので、設備投資をすることで、従前と原価、修繕費用、経費減がどれだけかを投資計画で算定できればよいということになる。

    ③新事業・新製品を目的とした設備投資
    新規事業に伴う設備投資をすることで、売上増、利益増が可能となる。投資計画の根拠を算定することが最も困難であり、当該設備の投資をすることで、新たに売上、原価、費用がどれだけ増えるかを同業などのデータをもって明確な根拠をもって算定できればよいということになる。

    ③案を具体的な投資計画に落とし込んだもの
    もっと細かい条件設定などは当然ありますが、色々と従前データを元に落とし込むことでB類型も結構使えそうだということがわかりますね。因みに当該計画案は既存取引先×新規商品を売り込む為の設備投資計画案を想定しています

    ※当該税制の投資計画案が記載されている箇所があり、大変参考になります。

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    生産性向上設備投資促進税制(A類型)の対象商品について

    平成26年1月より適用となった生産性向上設備投資促進税制(A類型)の対象商品についてまとめ。

    まず、はじめに税制の簡単な概要について。
    当税制は平成26年1月~平成28年3月末日までは即時償却又は取得価額の5%税額控除が適用できる
    平成28年4月~平成29年3月末日までは50%特別償却又は取得価額4%税額控除が適用できる
    利用対象者は青色申告法人となっている。
    A類型に関しては、最新モデルであることと、生産性が1%以上向上していることが要件となります。→これについては工業会からの証明書がでるかで判断可能
    取得価額要件としては、
    ○機械装置:160万円以上
    ○工具及び器具備品:120万円以上
    ○建物:120万円以上
    ○建物付属設備:120万円以上
    ○ソフトウェア:70万円以上
    ※1ただし、機械装置以外は一部の設備のみ対象となります。
    ※2中小企業に関しては、中小企業投資促進税制の上乗せ措置が適用できます→こちらの方が有利になります
    この税制を活用することで、得意先の節税対策にもなりますし、加えて、価格勝負に巻き込まれない、仕入れ先にとっても得意先にとってもメリットがある一石二鳥な提案が可能になります!

    例えば、償却前利益が200万円だとして、160万円の機械装置を取得した場合。普通償却費は10万円
    即時償却では二つの会計処理方法があります。因みに即時償却は翌期以降の損益の影響を及ぼしはしないですが、あくまで“課税の繰り延べ”であり、通年でみると税額が減るわけではありません。

    ①直接減額方式
    中小企業向けであり、メリットとしては会計処理及び税務処理が簡易なことが挙げられますが、デメリットとしては、期間損益計算がなされているわけではないので、会計上適正とは言い難く、自己資本比率等の悪化が伴います。

    減価償却費100,000/機械装置100,000
    特別償却費1,500,000/機械装置1,500,000
    償却前利益2,000,000-1,600,000=400,000(課税所得)
    400,000×40%=160,000(税額)

    ②準備金方式
    メリットとしては、企業会計上適正であり、期間損益計算がなされているということが挙げられますが、デメリットとしては、会計、税務処理が長期にわたり煩雑なことが挙げられます。

    減価償却費100,000/機械装置100,000
    繰越利益剰余金1,500,000/特別償却準備金1,500,000※別表4にて減算処理必要
    同じく課税所得400,000×40%=160,000(税額)

    ※税効果会計適用の場合
    減価償却費100,000/機械装置100,000
    繰越利益剰余金900,000/特別償却準備金900,000
    法人税等調整額600,000/繰延税金負債600,000
    償却前利益2,000,000-100,000-600,000=1,300,000
    1,300,000-1,500,000(減算)+600,000(加算)=400,000(課税所得)
    400,000×40%=160,000(税額)

    税額控除の場合は減価償却が耐用年数通りに償却される為、来期以降の損益にも影響がありますが、税額を直接控除でき、税金の“値引き”の効果といえます。

    減価償却費100,000/機械装置100,000
    2,000,000-100,000=1,900,000(課税所得)
    1,900,000×40%=760,000(税額)
    1,600,000(取得価額)×5%=80,000(税額控除)
    760,000-80,000=680,000

    以上を踏まえた上で該当する商品を会社ウェブサイトにて掲載しているサイトをまとめました。ざっくり見た感じた印象で言いますと、やはり大手メーカーさんは税務メリットもわかりやすく説明されているように感じますね。。

    リコー→節税試算などの説明あり

    パナソニック→LEDやらエアコンやら

    ロボットやら

    アイリスオーヤマ→LED

    CADやら

    日本サーエモナー→ボイラー

    パナソニック産機システムズ

    ヤンマー

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    電子帳簿保存法改正2015

    iPhone 02

    平成27年税制改正の大綱にてスキャナ保存制度の改正(PDF注意!)がなされたことにより、帳簿書類の電子化がより一層進むと思われる。因みに現行の電子帳簿保存法では、

  • ×国税関係帳簿:仕訳日記帳、総勘定元帳等の電子化は不可
  • ×国税関係書類:貸借対照表、損益計算書、在庫表など決算書類は不可
  • ○国税関係書類:契約書、領収書で3万円未満は可※
  • ○国税関係書類:請求書、納品書、見積書、発注書は可
  • 以上により、契約書等3万円未満、請求書等のみがスキャナ対象とされていました。また、スキャン時の処理についても

  • 200dpi以上のカラー画像のスキャニング
  • カラー保存※
  • 検索機能法の確保
  • 国税関係書類との検索性の確保
  • システム関係書類の備えづけ
  • 電子署名、タイムスタンプ、ヴァージョン管理※
  • などが要件とされていました。その上、スキャナ保存開始日より3か月前に税務署に申請することが義務付けられていました。

    今回の税制改正の大綱では、

  • ○国税関係書類:契約書、領収書で3万円以上も可
  • 保存形式が白黒でも可
  • 書類の大きさに関する情報が不要となった
  • タイムスタンプとともに入力者に関する情報の保存が必要となった
  • その上で、①相互けん制②定期的なチェック③再発防止策などの整備をするとともに、社内規程等を整備した上での事務処理が申請要件となるようです。

    大きな改正点としては、契約書、領収書で3万円以上のスキャナ保存の対象となったことでしょうか。これにより大多数の国税関係書類の電子保存が可能となります。

    さて、想定される具体的なメリットデメリットとしては、

  • ○帳簿書類の保管費、本支店間の運送料のコスト削減
  • ○検索機能による事務作業のスリム化
  • ○紛失リスク、保管作業の減少
  • ○電子化によるデータ入力の自動化など積算作業の効率化
  • ○税務調査時の対応などの効率化
  • ×スキャニングの要件などの厳格さ
  • ×システム担当の負担増
  • などなどでしょうか。基本的にメリットの方が多そうですが、やはり現状はスマホカメラでのスキャニングが許可されていないという点がネックであるようにも思います。現状だとスキャニングの作業自体が煩雑なのではないかなと。後、27年の9月から改正が適用されるとのことですが、現状別件でのシステム案件の整備が手一杯ですし、地方で適用できるようになるのはも少し先の話になるのかなーと思う次第です。何はともあれ、これ以上の電子帳簿の保存が緩和されることを願う次第です。

    参考url一覧

  • 平成27年度税制改正の大綱
  • 財布の中の領収書とおさらばする―電子帳簿保存法改正の動きとコンカーの取り組み
  • 税務関係書類のスキャナ保存要件の大幅な規制緩和に関する情報
  • 電子帳簿保存法について
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