2015年の振り返り

1/365 New Year!! 2015

あっという間に2015年もあと少しということで、今年を振り返ってみたいと思います。

①継続的な知識の獲得と実践
キャリアチェンジをしたというのもありますが、今年は改めてこれまでの自身の経験をどう実務に活かせるか?を実感させられた年だったと思います。
継続的な知識の獲得は昨年同様出来た時期もあれば、出来なかった時期もあったなーと。とりわけ、キャリアチェンジしてからは、どうにも手がつかない時期が続きました。。時間はあるはずなのにどうにも進まないというような状況に陥ってました。。。営業のように結果は明示的ではない難しさはありますが、日々の研鑽が自身又は会社への貢献度に繋がるのは間違いなので、継続的に学んでいくことを習慣にしなければと思います。・・・と同時に、実務でどうか?を強く意識してやっていく必要があるのかなと。
読書等については、30冊くらい読みました。実際に購入した本はもう少しありますが、積読本になっておりますw引き続き、色々なジャンルの本を読んでいけたらと思います。

②知識と経験をわかりやすく×サービス精神、ホスピタリティ精神×スピード
前職ではホスピタリティ精神×スピードを意識して出来ていたように思うのですが、キャリアチェンジしてから、やるべき仕事が変わったのもあって、出来ている自信がありません。
まだまだ自分の中で今の立場でやるべきこと、明確なポジショニングがはっきりしていないこともあって、なんだかうまくいってないのかなと。。。

③後進の育成、指導
出来ていたような気がしますが、キャリアチェンジしてからは下っ端なので何とも言えないですね。

④体調管理、整理整頓、掃除
まずまず出来ていたのではないかなと。ただここ2,3年で繁忙期のストレスが原因で過食傾向が続いたため、5kg~10kg近く太ってきているので、諸々運動しないとまずいような気がします。。。

⑤トレイルランニング参加!フルマラソン完走!!
キャリアチェンジしたのもあって、色々とばたばたした時期があったこともあり、今年は一大会のみしか参加できませんでした。また、トレーニングも半年間は全く出来ない時期が続きました。。これについては個人的に落ち着かない日々を過ごしていたのもあってか、やる気が起きなかったです。。

ということで、2015年をまとめると、キャリアチェンジしたことによる環境の変化に戸惑っていた日々だったなーと。来年はもう少し環境に慣れつつ、やるべきことを明確にして一歩一歩進めていければと思います。

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年末調整について

Just 11 more days of accounting

今さら年末調整?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、年末調整についてありがちなミスを只管挙げてみる。以下、箇条書きです。

  • 年齢による扶養親族、特定扶養、老人扶養、年少扶養等などの異動を失念している
  • 団体生命保険の保険料控除を含めて計算していない
  • 地震保険料、長期損害保険が併記されている証明書はどちらか選択適用となる
  • 国民年金、健康保険の申告控除のし忘れ
  • 旧生命保険、新生命保険のどちらが有利かどうすれば最も控除額が増えるか検討していない
  • 配偶者、扶養者の所得を把握していない又は年収と間違えて申告している
  • 配偶者特別控除の適用を失念した(年収103万以上~141万円まで)
  • 年少扶養であっても障碍者控除の適用は可能である
  • 旧生命保険は9,000円以下、新生命保険は基本添付が必要
  • 地震保険、長期損害保険をどちらを適用すれば控除額が有利か検討しているか
  • 子や生計を一にする扶養等の年金などの申告を失念していないか
  • 現物給与、給与課税にあたるもの(借り上げ社宅など)を含めて計算しているか
  • 中途入社で一年に2社勤務経験がある人の源泉徴収票又は給与明細を含めて計算したか
  • 年間の源泉所得税額を一致しているか確認したか
  • 著しい不足が出た人の計算過程に過ちはないか確認したか
  • 以上になります。
    もっと年末調整について詳しく知りたい!という方はこちらを参考に(国税庁の特集ページです)。
    今回改めて感じたことは一般的な事務員の視点から見ると、なかなか理解が難しいというかミスが生じやすいところが多々あるんだなあ・・・と、感じた次第です。時間的にも制約があるからそうさせるんでしょうけれど・・・。もう少しケアレスミスを減らしていきたいものですね!

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    雇用促進税制

    「まだ、ここにない、出会い。」リクルートの思いはぼくの思いに通じている。

    雇用促進税制とは、適用年度中に雇用者数を5人以上(中小企業は2人以上)かつ10%以上増加させるなどの一定の要件を満たした場合、雇用者数増加辺り1人につき40万円の税額控除が受けられるという制度になります。
    ただし、本税制の適用を受けるためには事前にハローワークに雇用計画の提出をする必要があります。

    詳細の要件については、

  • 青色申告者であること
  • 雇用者数を5人以上(中小企業は2人以上)かつ10%以上増加※1
  • 適用年度と前事業年度に事業主都合による離職者がいないこと
  • 適用年度の給与支給額が比較給与支給額以上であること※2
  • ※1 10%以上増加の定義としては、雇用増加割合(10%以上)=適用年度の雇用増加者数/前事業年度の雇用者数
    ※2 比較給与支給額とは前年度の給与支給額+前年度の給与支給額*雇用増加割合*30%を指し示す
    などがあります。
    詳細についてはこちらを参照してください。

    本税制のメリットは、やはり一人当たり40万円の税額控除が受けられるということにつきるでしょう。税額控除ですから、結構な節税策です。採用難で困っている中小企業にとっては、採用に力を入れるいいきっかけにはなるかと思います。ただ、現状で見た場合、そこまで利用されているかというと、そうでもないようです。26年度の雇用計画の達成状況(PDF注意!)をみると、30,000件超、事前計画は受け付けてはいるのですが、実際の達成件数は6,000件超と20%しか計画が達成していないと惨憺たる状況です。この数字を見る限り、現状の雇用促進税制は、企業の採用計画とうまくマッチングしきれていない制度なのかなという気がします。とりわけ先の要件の中で①10%以上増加、②給与支給額>比較給与支給額の2要件が厳しいのかなと。普通に考えて、雇用者総数の10%以上というのは、かなりハードルが高く、中小企業よりの仕組みではないのかなといった印象です。中小企業であっても2人以上採用を検討している会社はありますが、そもそも採用計画自体をきちんと立案している会社自体少ないですし、ハローワークに事前申請の手続きをすること自体知らない会社が多いです。実際は計画未達であっても、税制の適用にならないだけではあるんですが・・・。個人的な要望をいうと、事前申請ではなくとも適用になるとか、税額控除に限らず、何らかのインセンティヴが別にあってもいいのでは?という気がします。

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    採用について

    ここ最近、”採用”について考えていました。
    将来、生産年齢人口が半減、及び若年層が激減してしまうことは誰が見ても明らかなわけで、そういった現状を踏まえた上で、地方の中小企業の取るべき選択肢は何だろうなと。

    地方の中小企業の現状を見ると、一つ言えることは、”人手不足”というよりかは”人が来ない”という現象です。売手市場というのもありますが、現状ですらこの燦燦たる状態ということについては強い危機感をもつ必要があると思います。

    現状とこれからのトレンドをまとめると

  • ①人口減少、若年層激減、都市部集中
  • ②地方の就職における選択肢の少なさ&低収入、低成長
  • ③女性躍進→地方は遅れ気味
  • ④外国人労働者→地方は遅れ気味
  • ⑤大学全入時代による大卒の価値の低下
  • ⑥淘汰されるブラック企業
  • これを踏まえた上ですべきことは何か。
    ①、②については、都市部に負けないくらいの高収入、高成長企業を目指す→結果として採用もうまくいく。
    ③、④については、地方ではまだまだ男性社会が根強いと感じることが多く、結果の出にくさが余計に運用を難しくしまっているように思うが、これについては社会の流れに任せるしかないのかなと。それでも地方でもホテルや旅館、製造業を中心に外国人労働者を正社員として雇うところも増えてはきているので、どこかの時点で本格的に検討していかないといけない。。運用が難しいけどね。
    ⑤高卒大卒拘らず、採用していくことが大事なのかなと。単純比較は出来ないけど、大卒の価値は低下しているのは間違いない。ある意味、底辺大学よりかは高卒の方が期待できる余地は多いのかなと。いつも思うのだけど4年の差って、どれだけあるんだろうか・・・とふと思うことが多いです。
    ⑥は難しいところもありますが、会社として継続して意識して取り組んでいくことが大事なのかなと。会社の風土が全てとは言い切れない面もあるのかな・・・と感じることも多いです。

    実例が豊富ですが、中々一般化出来そうなものではない事例も・・・。こういうやり方もあるんだなーと知っておくにはいいかもしれませんね。

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    採用における基本的な考え方と仕組みの構築について触れている。どの会社でも一般化できる話が多く、参考になる点が多い。

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    僕と仕事と将来。

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    そういえば、転職したのでした。
    会計事務所→専門商社と事業会社に仕事を変えたわけですが、まあ、中小企業の総務経理は”専門スキル”よりも”何でも屋”的な仕事が求められているのかなーという気がします。そして改めて感じたことは自分自身のスキルは専門性がとても強く、その部分では明らかに他者よりも少しは秀でてはいるかな・・・とは思うのですが、一方で、会計税務の下地となる部分の理解が圧倒的に足りないなーとも感じています。
    単純な経験不足もそうですが、自分自身の性格からいって、全て目に耳にしないと理解が進まないところがそう感じさせている部分もあるのでしょう。。。
    そういった理解が足りないところはこれから少しずつわかってくるとは思うのでまあいいのですが(もちろん積極的に見聞きしたうえでですが)、、重要なのはそこではないと思っていて、一番自分自身が押さえなくてはいけないことは、会計、投資、ファイナンスといった観点から如何にしてリスクを抑えた上で事業を、トップラインをドライブできる選択肢を示せるか?ということに尽きるのかなと。

    この5年10年、自分自身の”覚悟”がどれだけか試されるのだろうし、その”覚悟”に見合った”成果”を叩き出さなければいけないと思っています。

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    生産性向上設備投資促進税制(B類型)について

    生産性向上設備投資促進税制(B類型)についてまとめ。

    B類型ですが、生産ラインやオペレーションの改善に関する設備を新たに設備投資することで、投資利益率が15%以上(中小企業は5%以上)が見込まれるとして、経済産業省の承認を受けた場合、A類型と同様に即時償却及び税額控除が適用となる制度になります。
    A類型との違いは①建物も対象となるということと、②用途及び細目の制限が一切ないというもので、設備投資額全額を即時償却、税額控除の対象とすることが可能となり、多額の設備投資を考えている企業にとっては非常に使い勝手の良い税制となります。因みに、仮に計画が達成できなくとも税金の取り戻しは発生しないという点も押さえておくべきところですね。

    具体的な算式ですが、投資利益率=「営業利益」+「減価償却額」の増加額(※設備の取得した後、翌年度以降3か年の平均額)÷設備投資額となります。

    想定される設備投資の事例(PDF注意!!)としては以下、①~③案となる。①、②は投資計画の算定は比較的容易であるが、③に関しては算定が最も難しいといえよう。具体的な事例としては近畿経済局のサイトを参照ください。各企業の投資計画案が実例として公開されているので、参考になる点があるかなと。

    ①生産能力増強を目的とした設備投資
    新規製造設備による生産能力増加に伴う売上増大が可能となる。投資計画の根拠としては、直近の単価及び数量を元に生産量の増大→売上増を投資計画にて算定できればよいということになる

    ②新規設備、ソフトウェア導入による原価、経費削減、業務効率化を目的とした設備投資
    新たな設備にすることで、それまでの不良製品減、修繕費用の削減が可能となる。投資計画の根拠としては最も簡易なもので、設備投資をすることで、従前と原価、修繕費用、経費減がどれだけかを投資計画で算定できればよいということになる。

    ③新事業・新製品を目的とした設備投資
    新規事業に伴う設備投資をすることで、売上増、利益増が可能となる。投資計画の根拠を算定することが最も困難であり、当該設備の投資をすることで、新たに売上、原価、費用がどれだけ増えるかを同業などのデータをもって明確な根拠をもって算定できればよいということになる。

    ③案を具体的な投資計画に落とし込んだもの
    もっと細かい条件設定などは当然ありますが、色々と従前データを元に落とし込むことでB類型も結構使えそうだということがわかりますね。因みに当該計画案は既存取引先×新規商品を売り込む為の設備投資計画案を想定しています

    ※当該税制の投資計画案が記載されている箇所があり、大変参考になります。

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    撤退か継続か

    とある企業で、ここ5年間でA部門が売上増、利益増、B部門は売上微減、利益減且つ薄利だとする。数字だけで見ると、誰が見てもB部門は撤退すべきと思われるが、新規事業として億単位の投資をしたこともあり、撤退に二の足を踏んでいる状態となっている。撤退の判断が下せない理由としては、投資回収が全くもってとれてないということと、A部門がほぼ9割近くを稼ぎ出しているのもあり(所謂、本業)、組織全体で見るとまあまあ悪くない数字になっている為と思われる。因みにA部門とB部門の事業の繋がりは皆無に等しく、売る商品も違えば、売る相手も全く異なる商売である

    こういった現状をわかった上でどういった意思決定を下すべきか。
    ①撤退
    ②継続
    ③撤退するが、B部門の施設を改良してA部門に活用する
    ④継続するが、新たに手を加える

    他にも選択肢はあるかもしれないが、個人的には③かなと思う。先にも述べたが、A部門とB部門は事業の繋がりが皆無に等しく、人の交流もなければ売る相手も異なり、会社としては同じだが、はっきりいって別物の事業体といっていいレベルである。にもかかわらず、B部門単体ではお金が回っているわけではなく、A部門で稼いだお金で賄っている状態であり、決して好ましい状態ではない。B部門のトップは諦めてはいないようだが、組織内での危機感は皆無であり決していい環境とはいいがたい(所謂、負け組)。仮に撤退した場合、様々な人の人生を左右することになるが、③案であれば、本人が望むのならば、A部門の人員として配置転換も可能であり、悪くはない選択肢なのではないかといえる。まあ、言葉でいうだけならば、誰にでも出来るんだけれどね・・・。

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    生産性向上設備投資促進税制(A類型)の対象商品について

    平成26年1月より適用となった生産性向上設備投資促進税制(A類型)の対象商品についてまとめ。

    まず、はじめに税制の簡単な概要について。
    当税制は平成26年1月~平成28年3月末日までは即時償却又は取得価額の5%税額控除が適用できる
    平成28年4月~平成29年3月末日までは50%特別償却又は取得価額4%税額控除が適用できる
    利用対象者は青色申告法人となっている。
    A類型に関しては、最新モデルであることと、生産性が1%以上向上していることが要件となります。→これについては工業会からの証明書がでるかで判断可能
    取得価額要件としては、
    ○機械装置:160万円以上
    ○工具及び器具備品:120万円以上
    ○建物:120万円以上
    ○建物付属設備:120万円以上
    ○ソフトウェア:70万円以上
    ※1ただし、機械装置以外は一部の設備のみ対象となります。
    ※2中小企業に関しては、中小企業投資促進税制の上乗せ措置が適用できます→こちらの方が有利になります
    この税制を活用することで、得意先の節税対策にもなりますし、加えて、価格勝負に巻き込まれない、仕入れ先にとっても得意先にとってもメリットがある一石二鳥な提案が可能になります!

    例えば、償却前利益が200万円だとして、160万円の機械装置を取得した場合。普通償却費は10万円
    即時償却では二つの会計処理方法があります。因みに即時償却は翌期以降の損益の影響を及ぼしはしないですが、あくまで“課税の繰り延べ”であり、通年でみると税額が減るわけではありません。

    ①直接減額方式
    中小企業向けであり、メリットとしては会計処理及び税務処理が簡易なことが挙げられますが、デメリットとしては、期間損益計算がなされているわけではないので、会計上適正とは言い難く、自己資本比率等の悪化が伴います。

    減価償却費100,000/機械装置100,000
    特別償却費1,500,000/機械装置1,500,000
    償却前利益2,000,000-1,600,000=400,000(課税所得)
    400,000×40%=160,000(税額)

    ②準備金方式
    メリットとしては、企業会計上適正であり、期間損益計算がなされているということが挙げられますが、デメリットとしては、会計、税務処理が長期にわたり煩雑なことが挙げられます。

    減価償却費100,000/機械装置100,000
    繰越利益剰余金1,500,000/特別償却準備金1,500,000※別表4にて減算処理必要
    同じく課税所得400,000×40%=160,000(税額)

    ※税効果会計適用の場合
    減価償却費100,000/機械装置100,000
    繰越利益剰余金900,000/特別償却準備金900,000
    法人税等調整額600,000/繰延税金負債600,000
    償却前利益2,000,000-100,000-600,000=1,300,000
    1,300,000-1,500,000(減算)+600,000(加算)=400,000(課税所得)
    400,000×40%=160,000(税額)

    税額控除の場合は減価償却が耐用年数通りに償却される為、来期以降の損益にも影響がありますが、税額を直接控除でき、税金の“値引き”の効果といえます。

    減価償却費100,000/機械装置100,000
    2,000,000-100,000=1,900,000(課税所得)
    1,900,000×40%=760,000(税額)
    1,600,000(取得価額)×5%=80,000(税額控除)
    760,000-80,000=680,000

    以上を踏まえた上で該当する商品を会社ウェブサイトにて掲載しているサイトをまとめました。ざっくり見た感じた印象で言いますと、やはり大手メーカーさんは税務メリットもわかりやすく説明されているように感じますね。。

    リコー→節税試算などの説明あり

    パナソニック→LEDやらエアコンやら

    ロボットやら

    アイリスオーヤマ→LED

    CADやら

    日本サーエモナー→ボイラー

    パナソニック産機システムズ

    ヤンマー

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    電子帳簿保存法改正2015

    iPhone 02

    平成27年税制改正の大綱にてスキャナ保存制度の改正(PDF注意!)がなされたことにより、帳簿書類の電子化がより一層進むと思われる。因みに現行の電子帳簿保存法では、

  • ×国税関係帳簿:仕訳日記帳、総勘定元帳等の電子化は不可
  • ×国税関係書類:貸借対照表、損益計算書、在庫表など決算書類は不可
  • ○国税関係書類:契約書、領収書で3万円未満は可※
  • ○国税関係書類:請求書、納品書、見積書、発注書は可
  • 以上により、契約書等3万円未満、請求書等のみがスキャナ対象とされていました。また、スキャン時の処理についても

  • 200dpi以上のカラー画像のスキャニング
  • カラー保存※
  • 検索機能法の確保
  • 国税関係書類との検索性の確保
  • システム関係書類の備えづけ
  • 電子署名、タイムスタンプ、ヴァージョン管理※
  • などが要件とされていました。その上、スキャナ保存開始日より3か月前に税務署に申請することが義務付けられていました。

    今回の税制改正の大綱では、

  • ○国税関係書類:契約書、領収書で3万円以上も可
  • 保存形式が白黒でも可
  • 書類の大きさに関する情報が不要となった
  • タイムスタンプとともに入力者に関する情報の保存が必要となった
  • その上で、①相互けん制②定期的なチェック③再発防止策などの整備をするとともに、社内規程等を整備した上での事務処理が申請要件となるようです。

    大きな改正点としては、契約書、領収書で3万円以上のスキャナ保存の対象となったことでしょうか。これにより大多数の国税関係書類の電子保存が可能となります。

    さて、想定される具体的なメリットデメリットとしては、

  • ○帳簿書類の保管費、本支店間の運送料のコスト削減
  • ○検索機能による事務作業のスリム化
  • ○紛失リスク、保管作業の減少
  • ○電子化によるデータ入力の自動化など積算作業の効率化
  • ○税務調査時の対応などの効率化
  • ×スキャニングの要件などの厳格さ
  • ×システム担当の負担増
  • などなどでしょうか。基本的にメリットの方が多そうですが、やはり現状はスマホカメラでのスキャニングが許可されていないという点がネックであるようにも思います。現状だとスキャニングの作業自体が煩雑なのではないかなと。後、27年の9月から改正が適用されるとのことですが、現状別件でのシステム案件の整備が手一杯ですし、地方で適用できるようになるのはも少し先の話になるのかなーと思う次第です。何はともあれ、これ以上の電子帳簿の保存が緩和されることを願う次第です。

    参考url一覧

  • 平成27年度税制改正の大綱
  • 財布の中の領収書とおさらばする―電子帳簿保存法改正の動きとコンカーの取り組み
  • 税務関係書類のスキャナ保存要件の大幅な規制緩和に関する情報
  • 電子帳簿保存法について
  • Read More

    IGPI流経営分析のリアル・ノウハウ

    「IGPI流経営分析のリアル・ノウハウ」を読了。
    新書ではあるが、経営分析に関して実践的な見方、やり方がコンパクトにまとまっていて興味深かった。以下、なるほどな・・と思った点をいくつか挙げてみる次第。

    ①売上インパクト、コストインパクトの割合が大きいところを抽出して検討すべき
    経営分析であったり、経営改善計画をしていると、どうしてもあれもこれもと指摘したくなるし、指摘しなければいけないという発想になりがちである。だが、売上インパクト、コストインパクトの小さい部分をこまごまと指摘したところで、影響額が小さいわけで、仮に指摘したとしても、その結果どうなったか?という検証もできずじまいで終わってしまう。みるべきところ、手を付けるところはまず売上インパクト、コストインパクトの割合が大きいところであり、インパクトの大きいところで改善できるところはないか、伸ばせるところはないかを考えることが最も効果的であり、且つ検証もしやすいということになる。

    ②スケールメリットは効く事業か
    企業買収、合併などの組織再編でよくきくワードであり、最もらしく聞こえるが、規模が増すことで、スケールメリットが生まれ、コストを削減できるとは限らないということもある。所謂、調整コスト、社内コストの増大による規模の不経済、また、中央集権的になってしまうことで、現場力の弱体化などなど。

    ③付加価値率
    付加価値率が小さいこと=コストコントロールが小さいということでもある。付加価値率を大きくすることは、言い換えれば、自らコントロールできる要素が大きいということであり、自らで可能性を切り開ける要素が大きいということでもある。逆にいうと、会社の経営戦略次第で勝敗が決まってしまうということにもなるのだが。。付加価値率をどうしていきたいか、常に考えていく必要がある。

    ④範囲の経済
    元々ある仕組み(コストは変わらない)を活用して、異なった商材を取り扱って売ることで(売上は上乗せできる)、事業規模を拡大する。範囲の経済で考えなければいけないことは相手側にとってもメリットがあるかが大事だと思われる。

    ⑤単品管理の徹底
    単品管理することで、何が儲かっていて、何が不採算であったかを常に見極めて意思決定することが可能になる。適切な意思決定を下すためにも、早く正しい情報を獲得することにコストと手間は惜しまないことが大事なのかなと。

    IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書)

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