雇用促進税制とは、適用年度中に雇用者数を5人以上(中小企業は2人以上)かつ10%以上増加させるなどの一定の要件を満たした場合、雇用者数増加辺り1人につき40万円の税額控除が受けられるという制度になります。
ただし、本税制の適用を受けるためには事前にハローワークに雇用計画の提出をする必要があります。
詳細の要件については、
※1 10%以上増加の定義としては、雇用増加割合(10%以上)=適用年度の雇用増加者数/前事業年度の雇用者数
※2 比較給与支給額とは前年度の給与支給額+前年度の給与支給額*雇用増加割合*30%を指し示す
などがあります。
詳細についてはこちらを参照してください。
本税制のメリットは、やはり一人当たり40万円の税額控除が受けられるということにつきるでしょう。税額控除ですから、結構な節税策です。採用難で困っている中小企業にとっては、採用に力を入れるいいきっかけにはなるかと思います。ただ、現状で見た場合、そこまで利用されているかというと、そうでもないようです。26年度の雇用計画の達成状況(PDF注意!)をみると、30,000件超、事前計画は受け付けてはいるのですが、実際の達成件数は6,000件超と20%しか計画が達成していないと惨憺たる状況です。この数字を見る限り、現状の雇用促進税制は、企業の採用計画とうまくマッチングしきれていない制度なのかなという気がします。とりわけ先の要件の中で①10%以上増加、②給与支給額>比較給与支給額の2要件が厳しいのかなと。普通に考えて、雇用者総数の10%以上というのは、かなりハードルが高く、中小企業よりの仕組みではないのかなといった印象です。中小企業であっても2人以上採用を検討している会社はありますが、そもそも採用計画自体をきちんと立案している会社自体少ないですし、ハローワークに事前申請の手続きをすること自体知らない会社が多いです。実際は計画未達であっても、税制の適用にならないだけではあるんですが・・・。個人的な要望をいうと、事前申請ではなくとも適用になるとか、税額控除に限らず、何らかのインセンティヴが別にあってもいいのでは?という気がします。