日本の稼ぐ力

Shibuya at Oicity

「日本の稼ぐ力」の資料を眺めた上での雑感。

  • 半数弱の経済圏は人口減少、少子高齢化により将来的にマイナス成長がほぼ確実視されている
  • 域外市場産業(製造業、農産業、観光業)は効率性を高めることが出来ればプラス成長は可能。
  • 域内市場産業(小売、生活関連サービス業、医療福祉)は人口、需要の減少を受けるため、医療福祉ビジネス(+3~4%)を除いて総じてマイナス成長▲3~5%前後と推定されている。事業運営の効率化が必須である
  • グローバル、グローバル且つニッチビジネス、メーカーは強い。
  • そういった中で域内市場産業、比較的インフラよりなビジネスが生き残るのはどういう手をうつべきなんだろうねえ。

    ①効率性、生産性を高める(例えば、受発注、倉庫業務におけるITの積極的な導入、自動化)ことによる人件費削減&一人当たり売上高、時間当たり売上高の向上&利益率の向上
    ②インフラ輸出→過大な投資リスク、カントリーリスクは伴うが、それを上回る成長余力をもった市場、海外に進出することで売上、利益とも増収増益出来るか
    ③域内でのパワーゲームにおいて勝つ→最も無難な選択肢、直近の課題であるのは間違いないが、長期的にみれば、その選択が正しいかはわからない。結果、パワーゲームに勝ったとしても地方では大きな成長は見込めない。
    ④組織再編&企業買収→スケールメリット&人材の獲得&効率性、生産性アップ→成長に伴う時間の短縮、メーカー機能の付加などなど。
    ⑤医療福祉ビジネスに参入辺り

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    SWOT

    ここ最近、色々と仕事以外のあれこれをしてまして。仕事でもそうですが、やはり自分の強みというか、夢中になれるところって、ここだよな!と実感した次第。
    以前、某アンケートを受けた結果、自分の強みは分析思考、回復志向、調和性、内省、収集心と出ました。これは自分でも結構的を得てるかなと思っています。その中でもとりわけ収集心ですね。そこに時間を費やすことを全然厭わないで自分は出来るんだなーと最近気づきました。でも、それはそれでただの時間つぶしでないの?といえば否定はできませんけど。。大事なのは、その”収集心”を仕事においてどれだけ実際に活かせるか、落とし込めるかなのかなと。収集心×分析思考×回復思考×会計税務をうまく組み合わせることが出来るようになれば、結構な強みになるのではないかと。

    それともうひとつ気がついたのは、その性格もあいまって、自分は他者と比べると極度に”人に関心がない”放任タイプだよなと(苦笑)。最近、某記事を眺めていて、正にこれ自分に必要なのでは・・と思った次第。以下、引用になります。

    自分が、目標に向かって情報を集め、データを分析する能力には長けているけれど、部下をはじめ人には関心がなく、育成能力が欠けていることを正直に認めること、ここがスタート地点になります。

    次に、チームメンバー一人ひとりと個別に面談し、自分の能力の偏りを正直に話し、助けを求めること。この面談の際に、Mさんの《収集心》と《学習欲》を使って、一人ひとりについて、どんな能力があるのか、チームに対してどんな貢献ができるのか、チームの中でサブリーダー的な存在だと思うのは誰か、などあらかじめ質問を用意し、聞いてみることができます。たとえ人に興味関心がなくても、この面談プロセスを1つのプロジェクトとして、必要な情報に関するフォーマットを作り、全員の情報を集めることを目標にすることで、面談を実施していくことは可能です。

     ステップ3は、8人の部下の中で、チームの“サブリーダー的な存在”として皆が名前を挙げた人たちと、短時間でいいので、定期的なミーティングを持つことです。彼らがパイプ役になって、残りのメンバーとの意思疎通を図っていくことができます。人に興味がなくとも、キーパーソンとの面談をルーティン化してしまうことで、それは業務の一環となります。

    この定期ミーティングの際には、サブリーダー的な部下自身も、マネジャーを効果的に活用する気持ちで、業務に関する質問をしたり、仕事の采配についてのアドバイスを求めることが、チームリーダーシップを可能にするキーとなります。

    この考え方は育成力がないのを自覚した上で、それを逆手にとって、収集心やらをいかしてシステム化してるのが肝なのかなと思います。人に関心がない→システム化してそういった自身の弱点を防ぐというのは、今後自分が最も自覚しなくてはいけないところだと感じます。

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    2030年超高齢未来-破綻を防ぐ10のプラン-

    「2030年超高齢未来-破綻を防ぐ10のプラン-」を読了。
    先に読んだ「フロネシス-プラチナ社会がやってくる-」よりも現状の人口問題についてと、今後のロードマップが網羅的に描かれている。
    人口問題については、基本的に内容に違いはないが、より個別具体的に描かれており、何が問題となっているかが掴みやすい。
    2030年のロードマップについては、生きがい就労、ライフデザイン、住環境、移動交通システム、情報通信技術、生活支援、食生活、介護予防、医療・介護連携、医療介護ICTなどいくつかの分野について網羅的に提言がなされている。網羅的に示されているのもあり、後は各々の民間企業がそういった予期されている社会的課題をいかにしてビジネス化出来るかなのだと思う。生産労働人口激減且つ高齢化していくなかで、どういった現象が起き、社会が変わっていくかを的確に掴んでいくことと、それをいかに自社のビジネスに取り込めるか。昨今のエネルギーやらIT問題よりも遥かにインパクトが大きい問題であるのと同時に、見方を変えれば大きなビジネスチャンスでもあることを認識して行動に移せるかが大事なのかなと。

    2030年超高齢未来破綻を防ぐ10のプラン―ジェロントロジーが描く理想の長寿社会

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    フロネシス-プラチナ社会がやってくる!-

    「フロネシス-プラチナ社会がやってくる!-」を読了。
    タイトルだけみると、何の本か想像出来ませんが高齢化社会についての本になります。
    以下、興味深いと思ったところなどをメモ。

  • 生産労働人口が激減、高齢者が4割を占める→生産労働人口という概念自体が意味をなさなくなっていく。女性の社会進出増、高齢者の労働者増で補填する
  • 日本の高齢化が急速に進むが、同時に近い将来全世界的に高齢化が進む見込み→日本に高齢化ビジネスの先行者メリットが生じる、ビジネスチャンスが生じる
  • 世帯別消費で増加するのは高齢者のみ→高齢者の増加と年金、介護給付の増大が原因と思われる。ここが日本経済に強い影響を及ぼしてくる
  • 高齢者の使いたいと思っている金額から現在の支出額を引いた額(未充足需要)が2015年時点で約4兆円→現状は消費できていない、高齢者が望むサービス、商品には潜在的な需要が強く存在することが伺える
  • 介護施設サービスは現行の利用率と仮定してもサービス需要は5兆円に達する
  • まとめると、これからの高齢者は高度経済成長を経た世代である為、貯金もあり、元気であることから、65歳以上になっても、”働きたい”、”お金があまっていて使いたい”、”でも将来がちょっと不安(息子世代含めて)”というような心理状況になっているのかなと。この本を読んでいてユニークだなと思ったのは、高齢化社会&労働生産人口激減→消費減&将来が不安というような捉え方ではなく、全世界的に高齢化を迎えるのだから、日本が課題先進国になりうるのだというところかな。言われてみればそうか、と確かに思うのだけど、気づけていなかったところではある。不思議なのは、最も高齢化が進んでいるであろう(ある意味課題先進国の最先端ですよ)地方にいるにも関わらず、そういった捉え方が全くできなかったところがちょっと引っかかると言えばひっかかる。何でだろうね?現状、課題に適切に対処しきれているわけではないからか、どうにも未来がばら色に描けない。その引っかかる何かが何なのかがわからない。

    三菱総研の総合未来読本 Phronesis『フロネシス』〈04〉「プラチナ社会」がやってくる! (フロネシス 4)

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    企業再生プロフェッショナル

    Numbers And Finance

    「企業再生プロフェッショナル」を読了。
    文庫サイズではありますが、コンパクトにまとまっていて且つ物語仕立てというのもあってとても読みやすいのではないかと思います。
    企業再生の現場を知る上で参考になるといっていいかもしれません。とりわけ財務診断の際のヒアリング、コスト削減のアプローチなどは興味深く読みました。個人的によいなと思ったこととしては、各項目毎に小説で描いた点の実務的な解説がまとめられている点と、小説ではあるけれども、極めて現実的な話に終始されているのがよいのかなと。とはいえ、実際にはもっとどろどろとしたやりとりがあるとは思いますが、そこは小説としては不必要なのかもしれません。

    以下、個人的によいなと思ったところを引用。

    「5億円のコスト削減プランの具体化をこの一ヶ月でお願いします。」
    どの分野で、どれくらいの額を、どう減らすのかの方法なぜ減らせるのかの理由いつまでに実行するのか実行の責任者は誰か、以上の6つの計画を明らかにした計画を作ってください。」

    こんなの当たり前じゃないかと思う人もいるかもしれませんが、意外と徹底されていないのが現実です。とりわけ大事なのは、”何故減らせるのか?”、”いつまでに実行するのか”、”実行の責任者は誰か”の3点です。これは再生計画を作るうえで、単なる数字遊びにならないことを防ぐ為にも大事ですし、現実問題として、実行可能かどうか?トップが本当にやり切れるかを確認する上でも抑えておくべき点かと思います。例えば、業績が悪化した為に役員報酬を減額する計画を盛り込んだのにも関わらず、一向に減額しないといった場合が中小企業ではままあります。これはいつまでにやるのか、実行者は誰か?が曖昧な計画を作成した為に起きる事例であります。もっというと、再生計画にトップが深く関与していないが為にこちら側と比べて現状認識が甘いままになってしまっている。それと、これをいってはなんですが、”トップにも生活がある”ため、覚悟が出来ていないといった場合もあります。逆に考えると、トップに深く関与してもらうことが再生計画を作成する上でいかに大事であるかの裏返しでもありますね。

    再生が必要な状況に陥った企業で共通してみられるの病状が”決められない”病である。・・・・「決められない」のは気持ちの問題からだけではない。「決める」ためには客観的な数値、データが不可欠である。

    再生に限らずですけど、いかに経営者に客観的な数値、データを提供出来るかが大事だなーと改めて思った次第。ジャッジしてもらうためにはどのようなデータが必要か、求められているかを認識し、その上であれもこれもにはならずに端的に示せるかが大事なのかなと。

    企業再生プロフェッショナル (日経ビジネス人文庫)

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    ※内容が似ているわけではないのだけど、本の作りが似ている。企業再生プロフェッショナルを読んだ人なら興味深く読めるでしょう。

    戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)

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    V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)

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    経営パワーの危機―会社再建の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)

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    ハゲタカ

    NHKのTVドラマ「ハゲタカ」の原作ということで、早速読みました。感想としては非常に面白い経済小説だと感じました。よくある陳腐なメロドラマなどは一切挿入されてはなく、実際に当時日本で起きていたと思われる様々な問題をうまくストーリーにまとめたなというのが全体的な印象です。それ故、僕のようなこれといった経済に深い知識を持ち得ない人であっても十分楽しめた作品です。

    新装版 ハゲタカ(上) 講談社文庫

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    スティーブ・ジョブズ-偶像復活

    コンピュータ、映画、音楽と3つの産業に革命を起こしたスティーブ・ジョブズの半生を描いた非公認ノンフィクション本。
    Apple設立に始まり、pixar社買収、itunes,ipodブームまでに至る道程はとんでもなく波乱万丈で、なかなか常人には理解し難いエキセントリックなエピソード満載でかなり楽しめる作品。ただ、実際は楽しんで!というよりは「壮絶」の一言が一番似合っているけれど。ジョブス自身、何もかも思い通りにはうまくいってはいない。寧ろ、8割が大失敗で残り2割くらいが辛うじて成功したといえるんじゃないかな。もちろん、それら一連の結果は偶然の産物かと言えばそうではなくて、全てはジョブズの強く熱い決して折れない意志が良くも悪くも周囲を動かし引き寄せたものなのだと思う。ただただ、その過程は激しく「矛盾」に満ちていて僕のような凡人には理解し難い。何故そこまで強く熱い意志を保ち続けられるのかと。何故そこまでデザインに拘るのかと。最後に本書を読んで気に入ったフレーズを引用したいと思います。

    「デザインというのは面白い言葉だ。外観のことだと思う人もいる。本当はもっと深いもの、
    その製品がどのように動くかということなんだ。いいデザインをしようと思えば、まず『真に理解する』必要がある。それが何なのか。心で掴む必要があるんだ」

    「何かを真に理解するためには、全身全霊で打ち込む必要がある……そこまでのことをする人は滅多にいない」

    「失敗を恐れずトライする限り、アーティストなんだ。ディランもピカソもチャレンジし続けた人物だ。」

    「僕にとってはアップルの件がそうだったんだ。もちろん、失敗なんかしたくないさ。アップルがどれほどひどい状況にあるのかは、知らなかったけど、それでも(実権のない特別顧問としてであれ、アップルに戻る事に)『イエス』と言う前に考えなければならないことが山ほどあった。家族への影響や、自分に対する世の中の評価への影響なんかもね。でも結局、そんなことはどうでもいいことに気付いたんだ。だって、
    これこそが、自分がやりたいことだったんだから。ベストを尽くして失敗したら…ベストを尽くしたってことさ。」

    スティーブ・ジョブズ-偶像復活

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